「キモオタクは女の子に話しかけてはいけない法」に違反して捕まってしまった…
あなたがある朝ベッドの上で目覚めると、巨大な毒虫…ではなく、巨大なアメリカ人になっていました。
両親もアメリカ人であり、グレゴール・ザムザのようにリンゴを投げつけられる必要はありません。
その代わり、裁判の陪審員に選ばれてしまいました。しかし、いざという時に自分も陪審審理を受けるためには、務めは果たさなければなりません。
さて、裁判もなんとか終わりに近づき、検事・弁護士の熱意のこもった最終答弁を聴いたあなた、いえ、12人のあなたたちは、裁判官の説示に従い、事実と法律に則って全会一致で評決を下さなければなりません。きっと判事は、「あなたが賛成だろうと反対だろうと、法律に従わなければならない」と言うでしょう。
被告がアメリカで近年新しく制定された、「キモオタクは家族を除く女の子に話しかけてはいけない法」に違反していたことは、大閃光 arc 極を見るよりも明らかです。
さて、あなたたちは有罪の評決を下しますか?
ここでキーになるのが、あなたの目覚めたアメリカ国の陪審の評決は、結論だけを述べる"一般評決"であることです。その評決を下した理由を述べる必要はありません。
そうです、なのであなた達はこう告げる事ができます。
「私たちは被告のキモオタ罪について、無罪を宣告します。被告は女の子には話しかけていないと判断します。」
もちろん、被告はキモオタクでありながら女の子に話しかけているでしょう。しかし、陪審はこの法律を無視する事が出来るのです。
さて、これでめでたくキモオタくんは救われるわけですが…(二重の危機防止のため、上訴はされません。何度も有罪になるリスクを追うのは被告に不公平ですから、という大陸の考え方です。)
>陪審員の判断が証拠を無視した著しく不適切なものであると判断したときに、裁判官が、陪審員の判断によらず判決を下すことができる場合がある
こんなことが簡単に出来たら陪審いらずで、裁判官だけで勝手に決められるため、ごくごく例外的な場合しか使われないそうですが実際はいかに…
(えっ⁉︎っていう判決が、覆らずに出てますしね…)
※日本の裁判員制度とアメリカの陪審員制度はほとんど異なっているものです。
特に、陪審員は何人か候補がいる中から、弁護士や検事が自分に有利な人を選ぼうとします(仕組み的には、そうでない人を理由をつけて除く)。
その辺の法廷ミステリは中々面白いんじゃないかと思います。
調べていると、「殺人を無罪にする方法」(ドラマ)など気になってきました。